門 いくの紹介文
森ひとみさんは昨年まで小学校の教員をしていました。彼女との出会いは、市のあるサークルでした。最後の授業のとき、ちょうど隣り合わせになった事がきっかけでした。
その後度々会う事が多くなり現在に至ってます。ある時はスポーツをしたり、趣味のサークルで一緒になったり、食事をしたりと様々です。その時々で集まる人は変わり、輪が広がっていきます。
ひとみさんは不思議な方でふれあいの輪には、年齢、人種関係なく集まって来るのです。積極的で、実行力があり、一見キャリアウーマンに見えますがその反面、危なっかしくて見ていられない時もある、魅力ある女性です。今のひとみさんは遊園地のジェットコースターに乗ってスリルを思う存分楽しんでいるように見えます。その後にはきっと、素敵な人が待っているのでしょう!ひとみさんに会えて良かった。前向きに生きているって素晴らしい!
意味の無い出会いなんてないのですね。だからこそ私は一つ一つの出会いを大切にしたいとおもってます。


VOL.9 「当たり前…でもちょっと違う子育て」(1)
子供へのひとこと
(2004 12.22)

 初めまして。いくさんの紹介で、投稿することになりました。森ひとみです。私は、6年ほど学校の臨時教師として、今までに宮城県の小学校を7校ほど勤めてきました。

私たちは、毎日いろいろな言葉を耳にしています。皆さんは、どのような言葉をかけられたら嬉しいですか?「きれいね」「優しい人ね」「頼もしい」などたくさんありますよね。では、子供たちはどんな言葉で喜ぶか知っていますか?

「字が上手になったね」「新しい言葉を覚えたんだね」「一人でできたね」「お手伝いをしてくれてありがとう」「あなたがいるから楽しいのよ」など、子供たちは自分ができたこと、できるようになったこと、誰かの役にたつことをしたときそれを認めてもらえるととても喜びます。笑顔で一言、声をかけてあげると子供たちも満足な表情をします。

ところが、実際はお家に帰ると…子供たちはこのような言葉を多く聞いているようです。「そんなことできるわけないでしょう」「いうことを聞かないんだから」「お手伝いしなさい」「あなたには無理」「どうせおまえのことだから…」「こいつはバカなんだ」などと。どうでしょう?もし、この言葉をあなたが他の大人から言われたら、頭にきませんか?ともすると大げんかになりかねないですよね。でも、子供はけんかになりません。ただし、小さい頃は、です。だから、このような子供を信じず、子供が何かにチャレンジして新たなことができるようになる可能性を根元から枯らす言葉を平気で言えるのではないでしょうか?

子供も小さいうちはおとなしくしています。だって、けんかしても大人にかなわないから。ところが、ある日、自分の力が大人を倒すこともできるくらいになった、とわかるとなにをするかわかりません。これって、とても悲しいですよね。親子が争うことになるなんて…。そうならないために、小さいうちからお互いの信頼関係を作っておくことが大切です。

 では、どんなふうに信頼関係を作ったらいいのでしょうか。まずは、自分の子供に対して使っている言葉をチェックしてください。先にあげた否定的な言葉が多いのであれば、まず、それを減らし、子供を認める言葉を多くしてください。次に、子供がしていることを一目見て判断するのではなく、この子は今、何をしようとしているのか、少し様子を見てから判断してみてください。すぐにあれこれと口出しをする回数を減らしてください。そうして子供のことをみていると子供の考えがよくみえてくると思います。ただし、例外があります。子供が命を落とすような危険なことをしているときは、すぐ声をかけやめさせる必要があります。(当たり前ですよね)でも、靴が、服が汚れる程度では子供のしていることを止める必要はないと思います。汚れたら洗えばいいのですから。

学校でも、子供たちは、えっ!というような行動をとるときがあります。例えば、授業中、算数のやり方を説明しているときに、机の中をがさごそいじっている子がいたとします。「がさごそいじっている」という行動は、好ましくないですから、すぐ注意するべきだと考えるのが普通だと思います。でも、少し待って様子を見ていると、定規を取り出し、隣の子へ貸してあげた。実はその定規を探すのにごそごそしていたというわけです。となると、いきなり怒らなくてよかったと思います。貸してもらった子に、先生の話が終わってから、お願いしても大丈夫だよ、と伝え、貸してあげた子には、いいことをしたね、でも、説明が終わってからでいいんだよ、と状況をしっかりととらえた声がけをすることができます。

 皆さんも言った後に、しまった!と思うときはありませんか?子供たちは、何をしたら喜んでもらえるか、人の役に立つのかわかっていて行動するときも多々あります。頭ごなしに怒ったり、注意したりすると、子供たちは、人のために何かをしようとしなくなります。家庭の中では、お手伝いをすすんでしなくなるといったところでしょうか。

 それからもう一つ。お母さんたちの話を聞いていると、子供が自分の思うようにお手伝いをしたり、動いてくれないといった不満を耳にします。このような言葉を口にするお母さんは、子供のことを自分の意のままに動くものだと思い込んだり、手伝うのが当たり前といった考えを持っているようです。この言葉を聞くと、子供も一人の人間で意思を持って動いているんだけどなぁ…と逆に子供のことを不憫に思ってしまいます。世の中ではとかく、自分の言うことを聞く子供がいい子という価値観をもつ親が多いようです。でも、私からいわせてもらえば、生まれ落ちたその日から、子供は別人です。一人の人間です。自分で考え行動し判断していく力を持っています。だから、好みが違っても当たり前、やりたいと思うことが違っても当たり前なのです。

 でも、大人が「あれをしなさい」「これをしなさい」「こうしてはいけない」と言いすぎると、小学校に上がる頃には、人から言われたことしかしない人間ができあがります。こういった子供は自分で考え行動し、その結果からよいか悪いかを学び、自分の行動をよりよい方へ変えて行くということができません。「5×6=□」という問題にはすぐ答えられますが、「□×△=30」という問題がでてくると、いままでと違うというだけで詰まってしまいます。自分で考えてなんとかしようという気持ちにはなりません。

 また、失敗や間違いを極端におそれます。間違えるといやだから手をあげて答えない、自分は常に正しくないといけない、といった考えに凝り固まり、ただ何ともない授業でも、日常のできごとでも、常にストレスがかかっている状態になります。大人はストレスを感じたときにどのように対処したらいいか知っていますよね。(最近はストレス発散法を知らない大人も増えてきている気がしますが…)子供たちは、ストレスという物自体を認識できません。ただひたすら毎日いい子でいよう、失敗しないにしよう、大人の言うことを聞こうと考えているだけなのです。この状態が続くと、表向きはいい子なのに、突然理解できないことをしたりします。「何故、家の子が?」とそのときになって初めて思う方も多いことと思います。私は、教師という立場で子供を客観的に見ているからかもしれませんが、この子は大丈夫かな…、と心配になる子にも何人か会ってきました。

 書き出すと止まりませんね。第一回目は、この辺で終わりにしようと思います。御精読ありがとうございます。では、またお会いしましょう!

森 ひとみ(2004 12.22)

森 ひとみ プロフィール
●出身地:新潟県小千谷市 ●血液型:A型
●趣味:英会話、海外への長期滞在、執筆活動、映画鑑賞



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